オートストレーナお役立ち
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2023/08/30
失敗しないオートストレーナ選びの基礎知識《工場エンジニア必見!》
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1.自動洗浄機能付きのろ過装置
オートストレーナは、ストレーナに「自動洗浄機能」が付いたろ過装置です。
ろ過によって蓄積されるフィルターの汚れを感知し、自動洗浄してくれるので、
日々の保守・清掃業務がいらなくなります。
つまりオートストレーナが「メンテナンス不要」「メンテナンスフリー」と言われる所以。
ただ、一口にオートストレーナと言っても千差万別。
選び方を失敗すると、「メンテナンスフリーのはずなのに目詰まりが多い」
なんていうことになりかねません。
仕組みを知って目的に適ったオートストレーナを正しく選ぶことで、
完全清掃不要の『メンテナンスフリー』が実現できるのです。
では、どのようなオートストレーナを選べば、日々のメンテナンスから解放されるのでしょうか?
オートストレーナの選び方がわかる、知っておきたい基礎知識をお伝えしていきます。
2.オートストレーナ選びの基礎知識
オートストレーナ選びには、ろ過したい原液や捕捉したいスラッジの性状、
ろ過装置の洗浄方式や特性、フィルターの種類と特性、操作条件等、様々な要因が絡みます。
ここからは、オートストレーナ選びに必要な3つのファクターを、一つ一つ解説していきましょう!
3.原液・スラッジの性状で選ぶ
●ろ過したい原液の性状で選ぶ(水・油)
御社でろ過したいのは、どのような流体でしょうか。水?油?
流体の粘度や性質に適したオートストレーナの選定が必要です。
大きくは2つの原液タイプに向けたオートストレーナがあります。
◎工業用水や排水、冷却水など、水に近い性状(低粘度の物)
◎オイルや潤滑油・クーラント液など油に近い性状(中粘度以上の物)
粘度は流体の温度によっても変わりますが、
粘度が高くなればなるほど、高い洗浄力が必要になります。
●スラッジの性状で選ぶ
御社が捕捉したいスラッジは、砂や切り屑のような固形物ですか?藻のような繊維状のものですか?
捕捉したいスラッジに適したオートストレーナを選ばないと、
目詰まりの原因となり、結局頻繁なメンテナンスが必要になってしまいます。
例えば、藻のような繊維状のスラッジ。
フィルターに大変絡まりやすいため、これを苦手としているオートストレーナが実に多くあるのです。
砂・削りカス・稚貝や、藻・繊維くず、粘着質の夾雑物等、
どのような性状のスラッジでも逃さずキャッチし、しっかりと洗浄するには、
高い洗浄技術や長年培ってきたノウハウ・実績が必要です。
狙うスラッジに対して、最適化したオートストレーナを選ぶことをお勧めします。
4.洗浄方式と特性で選ぶ
●洗浄方式の種類と特徴
さて、オートストレーナ選びの最大のポイントは、
フィルター(エレメント)の汚れを洗浄・排出する方式です。
洗浄方式と、ろ過したい流体や捕捉したいスラッジ等の相性が悪いと、
溜まった汚れを落としきれずに目詰まりを起こし、
メンテナンスのためのダウンタイムが生じることになりかねません。
では、どの洗浄方式であれば、完全メンテナンスフリーが実現するのでしょうか?
ここでは洗浄方式別の特徴を、わかりやすく一覧にして解説。
オートストレーナを選ぶ際の参考にしてください。
洗浄方式 | 機 能 | 長 所 | 短 所 |
ブラシ・スクレーパー | ブラシやスクレーパーで、エレメント表面のゴミを除去 | 粗く硬いゴミの除去に適している | ・細かく柔らかいゴミの除去が苦手 ・柔らかいゴミをストレーナに押し込んでしまうことがある ・ろ過後のエリアにゴミが入り、目詰まりを起こす原因になる |
ノズル吸引・スポット吸引 | エレメント表面のゴミをノズルで吸い込む | エレメント表面とノズルの距離が適切であれば吸引力が高い | ・機能が複雑なため、メンテナンスや維持に注意が必要 ・本体が横長なので設置スペースが大きい |
サイクロン方式 | 遠心力を利用(網目がないストレーナ) | 網目がないので目詰まりが起きない | ・比重差が小さいとゴミが分離しきれない ・網がないので、そのままゴミが後流へ流れる可能性がある |
逆流洗浄方式(逆洗方式) | ろ過工程とは逆の流れ(逆流)を発生させて、エレメント表面に付着したゴミを洗浄・除去 | ごみを剥がすように洗い流すため洗浄力が高い パーツがの摩耗や消耗が少なく、寿命が長い |
・エレメント片側を閉じた構造の場合は、洗浄の流れがすみずみまで行き届かないことがある ※「ボールフィルター」は上下開口構造で、すみずみまで洗浄 |
●圧力差を利用した『逆洗方式』で真のメンテナンスフリーへ
比べると一目瞭然。
完全清掃不要でメンテナンスのいらない洗浄方式があるんです!
それが、ろ過時とは逆の流れ(逆流)でたまったゴミを一気に洗い流す「逆洗方式」。
オートストレーナ出口と、逆流洗浄ライン(ゴミを流すライン)の圧力差を利用してパイロット流を発生させ、
エレメントに付着した汚れを一気に洗い流すタイプです。
汚れをエレメントから引きはがす流れと、ゴミの排出口に向けて洗い落とす流れを発生させるので
『クロスフロー逆洗方式』と呼んでいます。
逆洗方式の中には、上部を閉鎖した構造ですみずみまで洗浄しづらいタイプもありますが、
ボールフィルターは、エレメントの上下両端を開口した構造で、上から下までくまなく洗浄が可能。
洗浄の度にエレメントをクリーンにするので目詰まりがなく、日々の洗浄作業からの完全解放を実現します。
※オイル・潤滑油・アルカリ洗浄液に特化したものでは、
圧縮エアを使ってフィルターを自動洗浄する『圧縮エア逆洗方式』のオートストレーナがあります。
パワフルな洗浄力で粘度の高めの流体でも、任せて安心です。
5.フィルターの種類と特性で選ぶ
●フィルターエレメントを選ぶ
オートストレーナのろ過性能を決定する主要パーツが、
流体から夾雑物を分離する役割をもつフィルターエレメント。
エレメントには多彩な構造・材質のものがあります。
例えば、ろ過効率の向上にはろ過面積を大きくすることが重要ですが、
エレメントのサイズを大きくすると、設置スペースが多くなるのが難点です。
しかし、コンパクトでありながら大きなろ過ができるエレメントがあります。
逆洗方式に採用されているキャンドルエレメントや、スタープリーツエレメントは、
たくさんの筒状エレメントを円形に配置する、ろ材をプリーツ加工する等、
コンパクトなサイズで大量のろ過を可能するために生み出された優れたエレメントです。
目的や用途に合わせた適切なフィルターエレメントを選ぶことで、
オートストレーナはろ過能力を最大限に発揮することができるのです。
【キャンドルエレメント】
【スタープリーツエレメント】
●ろ材を選ぶ
フィルターエレメントは、ろ材(フィルター)を成形したものになります。
ろ材は流体中のスラッジを捕捉・分離する役割を担います。
ろ材の構造・形状、表面性状や、繊維・細孔の重なりで、
捕捉の仕組みや捕捉しやすいスラッジ、ろ過精度が違ってくるため、
どのようなろ材を使用するかは、オートストレーナのろ過性能に大きく関わります。
洗浄力の高い、逆洗方式のオートストレーナには、
流れの方向が切り替わる際の繰り返し応力に耐えられる、
強度や耐久性が高く腐食しにくい以下のようなろ材が使用されています。
耐久性が高く、腐食しにくいろ材
【金属】
・超耐食性ステンレス
・二層ステンレス
【繊維】
・不織布
・グラスファイバー
望ましいろ過性能と、目詰まりさせない洗浄性を両立させるには、
使用条件をよく考慮した上でろ材を選定する必要があります。
まずは、ろ材を熟知したメーカーへ現地調査をご依頼ください。
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