Case Study
導入事例
2025/08/08
老朽化をチャンスに。逆洗式オートストレーナで現場を刷新|国内化学メーカー事例

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1.課題|老朽化したブラシ式オートストレーナ。課題はメンテナンス性
国内大手の化学メーカー様。
河川水をろ過して、熱交換器の冷却水として利用しています。
川より取水して水を沈殿池に貯め、除塵機とオートストレーナを通して泥や藻などの異物を除去していました。
長年使用されてきたのは、ブラシ式のオートストレーナ。しかし経年劣化が進み、とくに屋外設置による腐食が深刻化。制御盤やケーブルには錆が目立つようになっていました。さらに、泥や藻によるフィルターの詰まりが頻発し、洗浄や点検作業が現場の大きな負担となっていました。
そこで「現場の洗浄作業を軽減するために、メンテナンス性の高い製品に更新したい」というご意向から、当社ホームページをご覧いただき、製品にご興味をお持ちくださいました。
「従来とは違う、新しい洗浄技術のオートストレーナを取り入れたい」という前向きな姿勢のもと、当社にご相談をいただいたのです。
老朽化して錆びついたブラシ式オートストレーナ
2.導入|ブラシ式から、クロスフロー逆洗方式へ置き換え
お客様が注目されたのは、ボールフィルターが採用するクロスフロー逆洗方式のオートストレーナ。
従来使用されていたブラシ式オートストレーナは、フィルター表面に付着した異物をブラシでこすり取って洗浄する方式でした。
それに対して、クロスフロー逆洗方式はフィルター面に物理的に接触せず、一時的に原液の流れとは反対の「逆流」を生み出すことで異物をフィルターから引き剥がすように洗い流す、ボールフィルター独自の洗浄技術です。
この構造をご評価いただき、ボールフィルターのオートストレーナ6.18.3を早速ご発注。既存ラインを活かしつつ、ストレーナ部分のみを置き換える形で導入されました。
既存ラインを活かし、置き換えました
3.比較|ブラシ式と、クロスフロー逆洗方式は何が違うのか?
クロスフロー逆洗方式は、日々の清掃が不要で、実質的にメンテナンスフリーを実現できる洗浄方式です。
ボールフィルターでは上下両端が開口されたエレメント構造を採用。これにより、エレメントの上から下までくまなく洗浄が行き届き、毎回の洗浄で内部がしっかりクリーンになります。
結果として、目詰まりが起きにくく、清掃作業からの完全解放を実現しています。
ブラシ式ストレーナと、クロスフロー逆洗方式ストレーナとの違い
洗浄方式 | ブラシ式ストレーナ | クロスフロー逆洗方式ストレーナ |
機能 | ブラシやスクレーパーで、エレメント表面のゴミを除去 | ろ過とは逆の流れ(逆流)を発生させ、フィルター表面に付着したゴミを洗浄・除去 |
長所 | 粗く硬いゴミの除去に強い | ・ごみを剥がすように洗い流すため洗浄力が高い ・摩耗や消耗が少なく、寿命が長い |
短所 | ・柔らかいゴミをストレーナに押し込んでしまう可能性 ・ろ過後のエリアにゴミが入り、目詰まりを起こす原因になる |
・一般的な逆洗方式では洗浄ムラがでやすいが、「ボールフィルター」は上下開口構造で、すみずみまで洗浄 |
4.効果|詰まらない、摩耗しないが実証された1年
従来のブラシ式では、異物がフィルター面にこびりつきやすく、ブラシの摩耗や機器の消耗も避けられませんでした。
ボールフィルターのオートストレーナ6.18.3を導入してから約1年。
クロスフロー逆洗方式では、フィルター表面を確実に洗浄。機器の摩耗や消耗もなく、
結果として、清掃や点検にかかる手間が大幅に軽減。
現場ご担当者様からは「評価は良好」との声をいただいており、現場でも高い効果を発揮していることが確認されました。
効果を実感いただき、2台目の導入にも至っています。
5.まとめ|現場の課題をチャンスに変えた、前向きな設備更新
本事例は、「老朽化=リスク」と捉えるだけでなく、メーカー様が「今こそ新しい技術を導入するチャンス」と捉えたことが、成功につながった好例
です。
新しい技術を柔軟に受け入れたことで、単に設備を新しくするだけでなく、課題を解決し、将来を見据えた現場の改善にもつながりました。
技術革新に前向きな企業姿勢と、それを支える現場力が相まって、理想的なアップデートが実現しました。