投稿日:2026/01/27

高発熱時代のデータセンター液冷(液体冷却)を支えるオートストレーナの技術

高発熱時代のデータセンター液冷(液体冷却)を支えるオートストレーナの技術

1.データセンター冷却の課題と潮流

AIやクラウドサービスの急拡大により、GPUを多用するサーバー1台あたりの消費電力・発熱は飛躍的に増加。
従来の空冷方式だけでは排熱が追いつかず、さらにPUE(総消費電力÷IT機器消費電力)の改善が経営課題となっています。

2.液冷(液体冷却・水冷・液浸冷却)が注目される理由

こうした状況を受け、データセンターでは液冷の採用検討が増えてきています。
液体は空気に比べて熱伝達率が高く、高密度GPUラックでも効率よく冷却できます。
冷却水・冷却液を循環させることで熱抵抗を下げ、PUE改善や高密度運用を実現可能です。
空冷だけでは生じやすいホットスポットも、液冷を併用することで効果的に管理できます。

各種市場調査よると、世界のデータセンター向け液体冷却市場は、2024年の約47.5億ドルから2030年には約111.8億ドルへ倍増する見込みです。
これは年平均成長率(CAGR)約15.3%という高い成長を示しており、高発熱時代における液冷技術の採用拡大を反映しています。

 

3.液冷システムを支えるオートストレーナとは

液冷方式が注目される一方で、液体を使うことには新たな運用上の課題も。
冷却水・冷却液に含まれるゴミやスケールは、システム内の配管や熱交換器、ポンプに影響を与える可能性があります。
例えば、冷却塔や冷却ラインでは、液中の粒子や堆積物が熱交換面や細い配管を塞ぐことで、効率が低下することがあります。
これにより、熱伝達効率の低下やポンプへの負荷増大が起こり、結果として冷却性能の低下や運用コストや保守負担の増加につながります。
ここで重要なのがろ過装置の存在。
適切なろ過装置(フィルター)を設置し液中の不純物を除去することは、単なる保守作業ではなく、冷却効率や機器寿命を左右する重要な要素です。
高品質なろ過装置は、冷却回路への不純物の侵入を防ぎ、堆積や腐食を抑制することで、最適な熱伝達を維持します。

4.液冷におけるボールフィルターの効能

ボールフィルターのオートストレーナ(自動洗浄ストレーナ)は、独自の高効率逆流洗浄「クロスフロー方式」により、フィルター内部にたまる不純物を自動的に排出します。
流体の流れを止めることなく、安定したろ過性能を維持。運転中でも清掃が可能
なため、以下の効果が期待できます。

・目詰まりによる流量低下や循環効率の低下を防止
・定期的な手動メンテナンスが不要になり、稼働率を向上

さらに、多彩なエレメントで様々な流体や粒子サイズに対応が可能。世界60カ国以上、30万台以上の導入実績があり、あらゆる業種の流体ろ過で使用されています。

【ボールフィルターのクロスフロー逆洗システム】
フィルター内にゴミが堆積すると出入口の差圧が高まり、これを検知して洗浄工程が始動

ボールフィルターの洗浄工程
洗浄工程では逆流でゴミを洗い落とす

5.フィルター導入の効果と費用対効果

データセンターの冷却効率は、システムだけでなく、回路設計や水質管理といった総合的な運用力によって左右されます。
ろ過装置が正常に機能しないと、熱交換器での熱伝達効率低下やポンプ負荷増加が起こり、消費電力の上昇や冷却不足、機器故障やダウンタイムリスクの増大につながります。
ボールフィルターのオートストレーナを導入することで、液冷システム全体の水質を維持し、以下のような効果が得られます。

・冷却効率の維持・向上
・メンテナンス頻度の削減
・冷却水循環ポンプや熱交換器の寿命延長
・冷却コストや電力消費の最適化

加えて、堅牢で耐久性の高い設計により、長期的に安定した運用が可能です。
こうした改善はPUEの向上にも寄与し、長期的には大きな費用対効果を生みます。

6.液冷(水冷)時代の“見えない要”としてのフィルター

AIやGPU中心のデータセンターでは、空冷だけでは熱管理のニーズに応えきれません。気温上昇やAI・クラウドの急拡大により、液冷システムの需要は今後さらに高まっていくことが予測されます。
ボールフィルターのオートストレーナは、データセンターの冷却効率と安定稼働を支える “見えない要”として、ますます重要な役割を果たすことになっていくでしょう。