2025/07/28

Yストレーナ洗浄の負担を大幅軽減|国内化学メーカー事例

Yストレーナ洗浄の負担を大幅軽減|国内化学メーカー事例

1.課題|Yストレーナが頻繁に目詰まり。原因は地下水に混じる有機物

お客様は、千葉県にある、世界屈指の技術を持つ化学工場様。地下水をY型ストレーナで2段階ろ過し、製造ラインに送っています。
課題は、後続機器保護のために設置されている単式Yストレーナの目詰まり。小型でろ過面積が小さいため、地下水に混じる有機物由来のスラッジがYストレーナ内部に付着して目詰まりを起こし、しばしば流量に影響することが問題でした。
同工場では、安定流量確保のために毎日のように洗浄作業を実施。その手間と作業時間が現場スタッフの負担となっていました。この作業を省力化し、かつ常に安定した流用を確保したいとご相談をいただきました。

▲ Yストレーナ内部のスラッジ(実際の写真)。有機物由来のものと思われます。

 

2.導入|オートストレーナで、後続機器に流入する異物を徹底除去

ボールフィルターでは、この課題を解決するためにオートストレーナ6.18.3の導入をご提案しました。導入にあたっては、従来取水ラインを大規模に変更する必要はありません。
オートストレーナ6.18.3は、ぬめりや泥といったスラッジにも強いオールステンレス製の高耐久仕様。流体内のゴミを確実にキャッチし、フィルター内部にたまるゴミを隅々まで洗い流して自動的に排出するクロスフロー逆洗方式を採用しています。

このオートストレーナによってライン上流で異物を捕捉し、単式Yストレーナへの異物の流入を防止。Yストレーナの目詰まりを防ぎます。
導入に先立って、まず小型機、さらに大型機のテスト導入を行いました。運転環境や除去対象への適応・効果を確認し、異物を確実に捕捉できるようろ過精度の調整を行った上で、本機の導入へと進みました。

▲ 単式Yストレーナの手前にオートストレーナを設置することで、
単式Yストレーナの目詰まりを解消。

 

3.効果|安定流量を確保し、清掃作業の手間からも解放

結果として、オートストレーナ設置後は、Yストレーナに流入する異物の量が大幅に減少し、目詰まりの発生が解消しました。
現在も、ボールフィルターのオートストレーナは、完全にメンテナンスフリーで稼働中。後続のYストレーナは従来毎日手作業で行っていた清掃が不要になり、念の為に2〜3週間程度のインターバルで点検する程度となりました。

ストレーナの目詰まり解消によって水の流量が安定し、後続機械の稼働も好転。清掃にかかる時間やスタッフの作業負担も大きく軽減されたという嬉しい声をいただいています。

 

4.まとめ|従来ラインを活かしたまま、現場課題を解決

本事例は、担当者様がYストレーナの目詰まりを過小評価せず、適切な改善策をとることで現場課題を解決に導いた好例です。
従来の取水ラインを大規模に変更することなく、1台のオートストレーナを導入しただけで、現場スタッフの作業負担を大幅に減らし、ラインの安定稼働にもつなげています。

地下水・河川水・海水などの自然水を用水する工場にとって、水質と流量の安定は共通課題であるはずです。オートストレーナは同様の課題をお持ちの工場にとっても、有効かつ実用的なソリューションです。ぜひご検討ください。